AND ARCHI episode-04

素材(material) × デザイン(design) なシーンを切り取る


バウハウスデザインの家はシンプルな家である。けれど、どの家にもちょっと「はっとする」ような、一種の「ときめき」をおぼえるような「見せ場」ともいえるかっこいい場所があるのだ。

「特別な高級素材はあえて使わない」それでいて「かっこよく仕上がる」そのワケは、ずばり普通とは少し違うARCHIな視点から生まれた『素材×デザイン』の絶妙なバランスである。

バウハウスデザインの家に共通しているのは、無垢材を使うということ。建築家のARCHIな視点が素材の持ち味を引き出し、一つの魅力的なシーンをつくり出す。ここでは、そんな『素材 material ×デザインdesign』が織りなすシーンを切り取ってみる。「うちにもつくりたい!」「こんなの欲しかった!」と思うARCHIなシーンがきっとあるはず。



Scene.1 もはやバウハウスデザインスタンダード
「木×鉄骨階段×吹抜」

~定番の吹き抜けもARCHIな視点が加わるとこんなにかっこいい!~

大胆な吹抜空間と鉄骨階段の組み合わせは、もはや、バウハウスデザインのスタンダードともいえるリビングデザイン。大胆な吹抜空間を実現できるのは、建築家の設計力に他ならない。オークやバーチなど無垢材のあたたかみと鉄骨手摺のシャープなテイストが広々としたリビング空間の程よいアクセントに。

Scene.2 経年変化もデザイン
「木×アクセントウォール・アクセントシーリング」

壁や天井の一部分に天然木を貼るアクセントウォールやアクセントシーリングは、空間がぐっと引き締まる印象的なデザインポイント。 アクセントクロスも手軽で良いが、天然木のアクセントウォールやアクセントシーリングは、経年変化で見せる木目や色みの表情が何とも言えず味わい深い。 アクセント貼りは内装だけでなくファサードなどの外構デザインにもおすすめ。

Scene.3 本好き一家の至福な空間
「木×鉄骨×ライブラリー階段」

「こんなの欲しかった!」ランキングの上位にランクインすること間違いなしの、ライブラリー階段。ARCHIな視点で吹抜空間いっぱいに設計した総高5M超のライブラリー空間は、本に囲まれて暮らしたい本好きのご一家にとっては、まさに至福の空間。 こちらは、ライブラリー階段としての機能+二方向へのアクセスも可能とした動線計画。アトリエ建築家ならではのデザイン。

Scene.4 段差のワケは低く憩う心地よさ
「石×木×土間リビング」

リビングの床材に白い大判のスレート風タイルを使用した土間リビング。一見クールな床材に、本棚、階段、リビングテーブルの無垢材、ディスプレイした薪そのものが柔らかさとあたたかみをプラス。黒の薪ストーブと海をイメージしたネイビーのラグと黒のデザインチェアが空間のアクセントに。土間リビングの上部は吹き抜けの大空間。この空間がつくれるのはアトリエ建築家の設計と高気密高断熱の高性能住宅ならでは。好きなものに囲まれた至福の土間リビングで過ごすとっておきの時間。薪ストーブの揺れる灯をじっと見ていると時が過ぎるのも忘れてしまいそう。

Scene.5 キーワードは「気配」。書斎のつくりかたテク
「ガラス×間仕切り×書斎」

リビングサイドに書斎を設けたいというのは比較的多いご要望。独立した空間と家族との距離感を大切にしたい気持ちどちらも叶う書斎テク。 左は間仕切り壁の一部を格子ガラスにした書斎テク。圧迫感を軽減するだけでなく仕事部屋としての独立した機能を持たせながらも仕事や読書をしながら子供たちの遊んでいる姿や笑顔、家族の気配が伝わるちょっと特別な空間。右はコーナー部分の壁面にスリットガラスを入れた書斎テク。個室としては完全に独立しているが、ほんの少しのスリットがあることで灯りがともれば分かり家族の気配を感じる。遊び心あるデザインは建築家ならでは。

Scene.6 ARCHIな視点から生まれる借景
「ガラス×窓×ピクチャーウィンドウ」

ピクチャーウィンドウとは、絵画のように屋外の風景を窓のフレームで切り取って室内にその景色を取り込む役割を果たすもの。建築家が設計するバウハウスデザインの家には、ピクチャーウィンドウが取り入れられることが多い。
キッチンに立った時に向かい側にアイレベルで連続して窓を並べたり、エントランス付近にフロアレベルで切り取るように窓を設け、その先に中庭を設けたり、逆に、外からは階段が覗いたりと、ふとした瞬間の借景を楽しむことができるようにという建築家の遊び心が垣間見られる。
 

Scene.7カウンターがあれば解決
「無垢集成材×カウンター×コーナー」

 個室までは必要なくても、ちょっとしたコーナーがあるととっても便利。例えばちょっと調べものをしたい時にPCコーナー、一時的に荷物を置いたり、ミシンを出して裁縫をしたい時に家事コーナー、お子さんの宿題を見てあげる時にスタディコーナー・・・etc. そのちょっとしたコーナー、造作カウンターがあれば解決。リビングやダイニングの窓辺に、階段室の一角に。もちろん書斎コーナーとしてもOK。    

Scene.8 貼り方ひとつで印象的ガラリ
「無垢床材×ヘリンボーン」

  ヘリンボーンとは、魚のニシン(herring)の骨(bone)を図案化した模様のこと。フローリングのヘリンボーン貼りとは矢羽貼りとも言い、大工にとっては手間のかかる仕事だが、木材の持つ濃淡と一つ一つ丁寧に貼り込まれるジグザグ模様が相まってなんとも言えない仕上がりに。無垢材は経年変化で表情が変わり、歳月を経てよりいっそう味わい深くなってゆく。

Scene.9 水回りが特にシンプルイズベストなワケ
「石×ステンレス×キッチン」

 バウハウスデザインの家の水回りはとてもシンプルである。キッチンはステンレス、もしくはモノトーン、床やコンロ脇の壁面はタイル貼のパターンが多い。水回りがシンプルなのにはワケがある。水回りは特に経年変化が早いのだ。デザインやカラーに特徴のある、メーカーの既製品を使うとデザインの劣化が早い。LDKが一続きの空間になるプランが比較的多い昨今、なるべくシンプルでデザイン劣化の少ないキッチンを選ぶことはとりわけ重要なのである。 ステンレスキッチンとスレート風床タイルの組み合わせは、モノトーンでまとまり、シンプルでクールな印象に。年月が経てもデザイン劣化が少ない。

Scene.10 外構植栽も家の一部という考え
「外壁×木×石×植栽」

   バウハウスデザインは外構植栽デザインを他社に任せるのを好まない。家は外構植栽部分も含めて家と考えているからである。家路につく時最初に目に入るのは、家の顔とも言えるファサードと外構植栽部分だ。外構植栽のデザインまでトータルで考える家づくりを提案している。外壁材×ウリンやレッドシダーの無垢材、石や植栽とのバランスなど、トータルで考えデザインされた家は美しい。 Text by Kozue INAMURA ( Mar. 2019 )
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