パッシブデザインとパッシブハウス
パッシブデザイン
バウハウスデザインでは、パッシブデザインの考え方を設計に取り入れています。近年、大きな金額の補助金や「FIT」や「FIP」などの売電制度によって、太陽光発電がブームになり、「スマートハウス」が流行に乗ってCMなどでどんどん露出されてきました。確かに太陽光発電設備などは優れた発明ですが、建築に取り組む工務店としては、少し違和感を覚えました。それは「省エネ=機械設備」という図式が主流になっていることです。
工務店としてのこだわりとプライドは、あくまでも「建物のあり方」であって、機械設備はあくまでもサブ的な位置づけである、ということです。「機械設備さえ付ければ省エネ住宅になる」というのでは、工務店としての成長と進化は止まってしまいます。違和感を解消しようと探求していたところに「パッシブデザイン」が登場しました。
パッシブデザインの定義
建物のあり方を工夫して、建物の周りにある自然エネルギー(太陽、風、地熱)を最大限に活用・調節できるようにし、高い質の室内環境を実現させながら、省エネルギーに寄与しようとする、建築設計の考え方とその実際的手法。
パッシブデザインは、新しい手法ではなく、すでに一定に認められていたもので、一部は実際の家づくりにも活かされてきましたが、2005年頃まで体系的に十分な整理が追い付いていませんでした。
パッシブには「受け身」という意味があります。自然エネルギーを受け入れて活用する設計(=デザイン)をパッシブデザインと云います。これに対して、冷暖房機や高効率給湯機等をアクティブと呼びます。パッシブデザインにおいても、アクティブデザインをゼロにすることはできませんが、機械設備に依存しない家づくりを目指してパッシブデザインを取り入れています。
パッシブハウス
パッシブデザインと混同しやすいのがパッシブハウスです。基本的な考え方は似ていますが「パッシブハウス」は、つぎのとおり独自の認定基準を満たさなければ、名乗ってはいけないことになっています。
パッシブハウス(Passive house)とは、ドイツのパッシブハウス研究所のファイスと博士によって提唱された家のあり方で、現在ではドイツのパッシブハウス研究所が規定する性能認定基準を満たす省エネルギー住宅のことです。
株式会社バウハウスデザインは、ドイツのPHI(パッシブハウス・インスティテュート)の日本正式窓口である「一般社団法人パッシブハウス・ジャパン」の会員です。
欧州の住宅では、長らくセントラルヒーティングのようなアクティブな冷暖房器具が用いられてきました。そこで建物の性能を上げて、高性能の熱交換器による空調設備だけで、セントラルヒーティングが不要という意味合いから"パッシブ(Passive:受け身)ハウス"と名付けられましたが、実際には冷暖房器具が不要ではないため、無暖房(無冷房)住宅ではありません。
パッシブハウスの性能基準
「パッシブハウス」と名乗るためには、ドイツのパッシブハウス研究所によって定められた性能基準を満たし、認定制度で認められなければなりません。
[ Passive houseの3つの性能基準 ]
1m2当たりのエネルギー量:kWh/m2(年間)
[1] 冷暖房需要が各15kWh/m2以下
[2] 一次エネルギー消費量(家電も含む)が120kWh/m2以下
[3] 気密性能として50㎩の加圧時の漏気回数が0.6回以下※
※「漏気回数が0.6回以下」とは「隙間相当面積(C値=0.2cm2/m2以下」のことである。
[ Passive house認定の流れ ]
設計段階でドイツパッシブハウス研究所に審査を依頼し、性能基準を満たしていれば仮認定書が発行されます。
施工後、設計性能を有しているか躯体性能試験を行い、基準を満たしていれば正式な認定書が発行されます。
パッシブハウスの6つの要素
パッシブハウスが提唱する「家の在り方」には、次の要素があります。
[ 1 ] PROPRER INSULATION(しっかりとした断熱)
[ 2 ] NO AIR LEAKAGES(空気の漏れをなくすこと)
[ 3 ] NO THERMAL BRIDGES(熱橋をなくすこと)
[ 4 ] PROPER WINDOWS(良い性能の窓)
[ 5 ] PROPER ORIENTATION + SHADING(窓の向き&日射遮)
[ 6 ] HRV(HEAT RECOVERY VENTILATION)(熱交換換気)