「建築家の視点」ページでは、建築家の設計哲学が生み出す独自のデザインの空間をご紹介します。
建築とは、複数の問いを重ね合わせ、その連鎖が新たな発想を生むプロセスです。既成概念に囚われない視点で見据え、帰還的な飛躍によって創造性を引き出しています。素材の質感や形状、空間の広がりを同時に考え、細部の仕上げから配置に 継続するまで一貫した美しさ。設計とは細部から全体への物語であり、どの瞬間も、単なる構造物ではなく、そこに住む人々の生活を考えます。
このページに掲載される事例の数々は、私たちがお施主様と共に作り上げた「住まいの答え」です。土地の特徴とお施主様の要望からスタディを重ねた設計には、人（お施主様）の人生観や暮らしが創造的に表現されています。設計は、細部から始まり、最適な配置に至るまでの全体として統一感と調和が生まれるのです。
このページでご紹介するのは、そんな視点から作った事例。住まい手の暮らしに寄り添い、建物がまるで一枚の設計の絵画のように、そこにいる人の心を豊かにする住まいの提案です。
建築家の既成概念を突破した設計は、敷地のパフォーマンスを最大限生かしたプランとなる。答えは周辺環境とアウトリビングの考え方にあった。
「土地のパフォーマンスを活かした
「中間領域」という考え方が設計者の中にあります。外でもなく中でもない中間的なエリア。リビングからフラットにつながるデッキ空間は、外でありながら室内空間と同じような感覚で使用できるように設計。
「建築家の秀逸な土地の見方」建築家・早川慶太氏
建築家の既成概念を突破した設計は、敷地のパフォーマンスを最大限生かしたプランとなる。答えは周辺環境とアウトリビングの考え方にあった。
「限られた建築面積での回答」建築家・今知亮氏
敷地形状に合わせた中庭空間の設計が豊かな暮らしを実現する。LDK・書斎・主寝室…全てが中庭空間に向かい景観や明るさを感じる設計となった。
「敷地形状を活かした中庭空間」建築家・藤本誠生氏
西側が公園に隣接する景観の良い立地。南側の隣家を配慮した中庭のあるコの字の設計が特徴。コの字の建物形状にしたことで、公園との関係性が良くなり1年を通じて景観を楽しめる住まいとなった。
「ロケーションを活かした建物配置」建築家・河添甚氏
四方囲まれた旗竿地での設計。開放性や光の取り入れ、プライバシーの確保の仕方など、設計の難易度の高い敷地条件となります。
「四方囲まれた敷地の設計」建築家・中村俊哉氏
日当たりが良い分プライバシーを阻害されるというデメリットも生じるので、決してメリットだけでもないのが「南向き日当たり良好」。そのメリットとデメリットの相反関係をどのように設計力で魅力に変えていったか。
「コートヤードのある都市型設計」建築家・田辺真明氏
北西の角地は一般的に設計が難しい土地。南側隣地の敷地は1mほど高く光が取り入れにくい環境。その敷地に対する設計者中村氏の回答は「内に開く」。中庭を巧みに配置することで光の通り道と開放性を両立した。
「北西の角地の敷地に対する回答」建築家・中村文典氏
南側が高くなっているひな壇形状で視界も南側の建物で遮られる為、開放性を北側に求める設計となりました。定石とは違う北側バルコニーという設計の発想が、土地のデメリットをメリットに変化させました。
「土地のデメリットを豊かな暮らしに
広いT路地に面した申し分ない敷地条件であったが、同時にプライバシーを阻害される条件でもあった。プライバシーと明るいリビングを確保するという二律背反した要件を同時に解決する設計となった。
「プライバシーに配慮したファサード」建築家・赤松純子氏
土地の購入から検討していた施主。長い旗竿地がネガティブに見え、この土地で理想の住まいが建てられるか迷っていた。一見デメリット思える条件も、設計の仕方や活用の方法で楽しい暮らしへと変化していく。
「見方を変えればパフォーマンスの高い
立体的な空間設計で居場所をたくさん作る。あえて段差を設けリビング空間を一段低いレベルとしてLDK空間にアクセントをつけたことによって、階段の踊り場との間に「蔵」のようなこもれる場所が生まれました。
「立体的なリビング空間を設計する」建築家・辻岡直樹氏
西接道の奥に広がる旗竿地。旗竿地とはいえ約3.5mの接道幅を活かしたアプローチをしつらえることで、しっかりとした建物の正面性を構築しました。更に奥まって広がる、ゆったりとした敷地に光と風と空を取り込んだ明るく開放的な空間を導き出しました。
「旗竿地の設計解」建築家・田島芳竹氏